お知らせ
2024.8.29
あらまつ会について
いつも「食堂 あらまつ」を ご贔屓いただきまして誠にありがとうございます!
今日の投稿は、以前「食堂あらまつ」にて開催したあらまつ会についてスタッフからの配信です☺️
この日は「寒北斗酒造」の営業部長(杜氏さん)をお迎えして
いつも「あらまつ」に来てくださる「寒北斗」ファンのお客さんと一緒に
部長直々、お酒の魅力をたくさん教えていただきました!
その様子をすこしお見せしたいと思います。
「寒北斗酒造」さんについて
「寒北斗」は「食堂あらまつ」の”料理に寄り添うお酒”として
うちの店主が惚れ込んだお酒のひとつです。
まずは今回お越しいただいた「寒北斗酒造」さんについて…。
改めて、紹介いたします。
●寒北斗酒造とは
享保14年、九州・福岡県。
初代矢野甚五平によって「玉の井酒造」(後の寒北斗酒造)が誕生しました。
日本中が美食ブームに沸く昭和59年。「福岡を代表する銘酒をつくりたい」と熱望する酒販店の声に応え、新たな酒造りへの挑戦を決意し、その酒造は生まれたそうです。
試行錯誤を経たその先にたどり着いたのは、地元で古くから愛されてきた「福岡らしい味」。地元に寄り添ったお酒を作っている酒蔵さんです。
今回は、この「寒北斗酒造」の営業部長(杜氏)さんのお話を聞きながら、
寒北斗2024年初夏のスペシャルセレクションを
ご参加いただいたお客さんに飲み比べで味わっていただきました。
「寒北斗」の飲み比べ体験
今回のラインナップはこのような感じ。左から…
①寒北斗純米超辛口 60
②寒北斗 純米大吟醸 45
③寒北斗辛口純米酒 shi-bi-en
④寒北斗30VISION 2023年版
⑤寒北斗30VISION 2024年版
⑥寒北斗 本醸造 55
⑦玉の井 純米 生酒
⑧蔵開き限定 寒北斗純米 無濾過生原酒 中汲み
⑨蔵開き限定 本醸造生酒
皆さんには、作られる年によって変わるお酒の味わいの違いも楽しんでいただきました。
●寒北斗純米超辛口 60
「飲み疲れしない辛口」をコンセプトに試験醸造を経てさらに磨きをかけた純米超辛口。「寒北斗」の爽やかな香味はそのままに、キリっとしまった超辛口の味わい。
●寒北斗 純米大吟醸 45
熊本9号酵母で仕込み吟醸造りで醸した純米大吟醸。香りは心地よい吟醸香、透き通った綺麗な飲み口、すっきりとした辛口。食事との相性が考えられた穏やかな味わい。
●寒北斗辛口純米酒 shi-bi-en(夏季限定)
季節限定シリーズ「shi-bi-en(シビエン)」。古代天文学における天球上の一区で、天の北極を中心とした星座「shi-bi-en」が輝くラベル。辛口をベースに、季節ごとの香り・味わいを生かしたお酒。
夏季限定はスッキリ軽い飲み口とキレのある喉越しが持ち味。
●寒北斗30VISION
30vision は醸造技術成長の為に様々な挑戦をする試験醸造酒。今年のチャレンジは、「原料の無駄を無楠+綺麗なお酒を造る=扁平精米?」だそうで、通常の精米は、全体的に満遍なく削るのですが、扁平精米は、雑味の元となるタンパク質を多く含むお米の側面を効率的に削ることによって、精米歩合は80%でも、綺麗なお酒に仕上げることができるとのことです。
●寒北斗 本醸造 55
こちらの本醸造は、穏やかな香りと軽やかな飲み口から始まり、淡麗の中にコクがじんわりと感じられる寒北斗。個性ある味わいを大切にされた1本で、昔ながらの手造り麹を低温でじっくり醗酵させる吟醸仕込みが行われており、優しく柔らかな香りとお米の持つ旨みが見事に調和した純米酒です。
●玉の井 純米 生酒
寒北斗が創業以来守り続けている「玉の井」は手間ひまかけた酒造りにこだわり、地元で愛され続けてきた銘柄です。すっきりとした味わいで、優しい旨みもしっかり感じ、冷から熱燗まで、どんな飲み方でも楽しめる美味しさです。
●蔵開き限定 寒北斗純米 無濾過生原酒 中汲み(秘蔵酒)
寒北斗シリーズの中でも、より洗練された純米吟醸を無濾過生ですっぴんのまま登場させた数量限定品。透明感のある旨みと、スッとキレていく軽やかさを感じる食中にもおすすめのお酒です。
●蔵開き限定 本醸造生酒(秘蔵酒)
こちらも数量限定の秘蔵酒で、しっかりとした風味を感じながらも淡麗でまろやかな味わいのお酒。クセが少なく、飲み口も軽快であるため、日常的に楽しめそうな日本酒でした。
かなりの量のお酒を開けたので皆さん早々とほろ酔いな様子(笑)
同じ寒北斗やラベルであっても、色々な味や香りの違いがあり、なおかつ造られる年代によりまったく別の色を見せる日本酒。改めてその深さを体感したひと時となりました。
また、裏側のお話として…
杜氏さん曰くそもそも「寒北斗」はある程度ドライに仕上げているとのことなのですが(アミノ酸(酸っぱさ)が残るのがあまり好きではないようです。)
この話を聞いていて、日本酒って意外にも杜氏さんの趣味趣向がお酒の味に反映されているんだなあと面白く感じられました☺️
美味しいお酒を作るために大切なこと
ところで、皆さんは日本酒ができる工程をご存知ですか?
実はわたしたちが普段いただいているお酒を一杯作るには、かなりの時間と労力がかかっています。
具体的には「洗米/浸漬(しんせき)~蒸米/放冷」>「麹(こうじ)造り」「酒母造り」「醪(もろみ)・仕込み」>「上槽」>「濾過(ろか)・火入れ」>「貯蔵/調合・割水」>「火入れ・瓶詰め」
といった長い長い工程を経て、ようやくひとつの日本酒ができあがります。
その中でも 日本酒の味を左右するのが 酒母(もと)といわれるもの。
酒母は、蒸し米・水・麹に酵母を加え、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもので、
日本酒造りには、良い酵母が大量に必要なことから、酒母は文字通り「酒の母」だといわれています。
営業部長(杜氏)さん曰く、その時々の酒母の出来によって、お酒の風味・旨味というのは、まったくもって変わってくるとのこと。「この年のお酒は自信作!」といえるのも、酒母がうまくできた年に言える事が多いようです。
●「お酒造りってのは、ほんとうに”科学”である」
◇杜氏さん:
「美味しいお酒造りには酒造の想いもありますが、やっぱり酒造りは”科学的”ですね。
奥深さを感じるのはやはり甘み(あまみ・うまみ)です。
それを引き出すにはもろみを造る段階で、いかにグルコース(糖)が増やせるかどうか。
とはいえ、お酒造りには酸味も必要です。味の輪郭を作ってくれるのは酸ですから。」
確かに甘いだけでは味はぼやけてしまいますが、酸味があるからこそ味がくっきりと浮かび上がってくるもの。美味しさとはバランスのうえに成り立っているものであると、スタッフも今回改めて気付かされました。
「いやぁ、味ってほんとに面白いですよね。科学なんですよ。食もお酒造りも。」
●食と酒のちょっぴり科学的なおはなし
◇杜氏さん:
「味って面白いんですよ。例えば、すし。魚介の魚には亜鉛を多く含む物が多いですが、鉄分の多いものと一緒に接種することで科学反応が起き、魚が生臭く感じます。その例として挙げられるのがワインですね。ワインは、鉄分を多く含んでいるので、亜鉛を多く含む魚のすしとの相性はあまり良くないと言われています。一方で日本酒・焼酎・ビールなどは鉄分の含有量が少ないために、すしとよく合うと言われています。」
すし・和食と合わせて飲まれる定番の日本酒。一括りに日本酒といっても様々なタイプがあり、重さ・軽さ、香りの強いタイプや控えめでサラッと飲めるタイプなど、香りの高さと味の濃淡で表現することができます。
普段、味を科学的に考える機会が少ない私達にとってとても興味深いお話となりました。
この日の“あらまつのごはん”
さて、この日のお酒会のお食事もご紹介しちゃいます☺️
今回お集まりいただいた方々は皆「酒飲み」なお客様だったので…(笑)
まずは空腹を満たしていただくため、手作りのおにぎりをご用意しました。
お米の甘みを生かすシンプルな塩おにぎりです。
「初手でおにぎりが出てくるなんて…あらまつさんの粋な計らいやわ。」
と、参加者のみなさん(笑)
そしてつるまるなすの浅漬けを。
お酒を少しずつ一緒に味わっていただくのに、切り干し大根と高野豆腐もご用意しました。
黒毛和牛の牛すじは先日からじっくりコトコト炊き上げて柔らかく。
泉州産の地物の玉ねぎの自然な甘みを味わえる一品です。
名物のアジフライもご好評いただきました。
後半のメインにお出しした手羽先は皮目がパリッと香ばしく、身はジューシーに。茶美豚はデミグラスソースとワインで煮込んでみました。
食後のデザートは、紅茶と自家製カスタードプリンです。
いっぱい食べて、飲んだあとにも、つるんっと召し上がっていただけるような〆のお茶菓子です。
最後にあらまつ会の記念写真を
最後は今回の参加者の皆さんと記念写真の撮影です。
杜氏さんに来ていただけることは珍しく、またとない機会でした。
スタッフもとても勉強になることばかりで
より日本酒に魅了される有意義なひと時となりました。
ご参加いただきました皆さん、そして寒北斗酒造杜氏さん。
本当にありがとうございました。
「食堂あらまつ」では月に1回このようにお酒会といってみんなでお酒や食事を楽しむ機会を設けております。
ご興味のある方はぜひお気軽にお尋ねください。
なお今回の様子は公式インスタグラムでも紹介しますのでぜひ見てみてください☺️